【介護用語・あ行】知っておきたい用語を紹介!
- 介護に関するお役立ち情報
- 2022/04/01
家族介護をしなければならなくなった方、介護現場でこれからお仕事をされる方にとって、介護関連の用語で分からないこともあるのではないでしょうか。ここでは、介護関連の用語(あ行)をまとめてみました。介護についての基礎知識として活用してみてください。
【介護用語】あ行
アドボカシー:
アドボカシー(advocacy)とは、権利擁護、弱い立場にある人の生命や権利、利益を擁護して代弁することをいいます。医療や介護、福祉の現場では、知的障害、精神障害、認知機能低下などのために、自分で判断する能力が不十分だったり、自分の意思を伝えることのできない患者や高齢者、障がい者に代わって、代理人が意思や権利の主張や自己決定をサポートしたり、代弁して権利を擁護したり表明したりする活動になります。
アドボケイト:
アドボケイトとは、アドボケートともいいますが、権利擁護を担う擁護者や代弁者のことをいいます。寝たきりなどの高齢者や認知症の高齢者は、権利擁護やニーズを伝えることを躊躇することも考えられており、自分の意見や権利を上手く伝えることのできない高齢者の代わりに、意見や権利を主張します。高齢者と向き合いその方の気持ちをしっかりと汲むことが大切です。また、権利を擁護・代弁する行為をアドボカシーといいます。
アドミニストレーション:
アドミニストレーションとは、統治、行政、管理などの意味であり、経営活動、管理活動、あるいは経営管理活動などのことをいいます。社会福祉の分野では「ソーシャルアドミニストレーション(社会福祉運営管理)」として使われており、間接援助技術の1つです。管理者や社会福祉従事者、利用者および関係者を対象として、サービス計画や運営改善やニーズのフィードバックを行うことを目的とする技術になります。
アルツハイマー病:
アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、認知症の代表的な疾患の一つです。いくつかの誘因となりうる因子が存在しており、年齢や遺伝的因子が代表的です。その中でも、糖尿病などの生活習慣病や運動不足もリスク因子であると考えられており、生活習慣病の是正(食事・運動)が予防にもなるのではと言われています。アルツハイマー型認知症は徐々に進行し、初期段階として少し前の出来事を思い出せないといったことがあります。
詳しくは『アルツハイマー病とは?その原因やアルツハイマー病患者への接し方なども紹介』でも紹介しています。併せて参考にしてみてください。
圧迫骨折:
圧迫骨折とは、骨がもろくなってしまったことが原因で押しつぶされるように変形してしまう骨折のことです。圧迫骨折は骨粗しょう症が原因で起こることが多く、特に高齢者の方に多い傾向にあります。骨折の起こりやすい部位としては、背骨(脊椎)、大腿部(脚の付け根)、手首と言われています。また、閉経後の55歳頃に転倒し手首を折り、徐々に歳を重ね65歳頃から背骨の骨折が増え、75歳頃で転倒し手で支えきれず大腿部の骨折がケースとして多く見られます。
意識障害:
意識障害には、さまざまな状態があります。例えば、正常な反応ができなくなる昏迷、瞬間的に意識が飛んだり短時間の意識消失の失神、放っておくと寝てしまう傾眠、長時間(期間)意識が回復しない昏睡などがあります。考えられる原因として、体温上昇による脱水症状、一過性の意識障害、アルコール過剰摂取による意識障害、感染症などによって脳に炎症が起こる髄膜炎や脳炎、脳卒中、心筋梗塞、頭部外傷などがあります。また、糖尿病や自律神経失調症によって起こる場合もあります。
遺族年金:
遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。遺族年金には、「遺族基礎年金」 「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。受け取るには、遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件が設けられています。
移乗介助
移乗介助とは、ベットから車椅子に移ったり、車椅子からトイレに移ったりするときに、介助でサポートすることを呼びます。移乗介助では、転倒などのリスクや、介護者自身への腰痛の原因になることも多く、スキルを要します。特に介護職の人や在宅介護をしている人にとっては日常的であるため、自己流で行っていくよりは、根拠に基づいた介助の方法を習得し相手の能力を引き出すことができると、事故のリスクや腰への負担も軽減されます。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、残された遺族が受けることができる年金です。被保険者として、25年以上の受給資格期間が必要で、2種類の「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の納付状況などにより年金の支給状況は変わります。遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件も設けられていますので、まずは専門家に相談することをおすすめします。
溢流(いつりゅう)性尿失禁
溢流性尿失禁とは「自分で尿を出したいのに出せないが、少しずつ漏れてしまう」状態を言います。前立腺肥大症や前立腺がんなど男性に多く見られる疾患などが原因で、排尿障害を起こすことが前提としてあります。そのほか、糖尿病や子宮がんの手術後など尿道の圧迫により起こることがあります。また、残尿による尿路感染症や腎盂腎炎を引き起こす可能性、尿もれによる下着汚れや臭いで、自分や人間関係の社会生活に影響が出ることもあります。
イブニングケア
イブニングケアとは、夕方から就寝前に行う一連のケアのことです。目的は、快適な睡眠ができる環境を整えることにあります。質の高い睡眠がよい生活習慣の形成に役立ちます。ベッドを整える、排泄や洗面を済ませる、寝間着に着替える、必要に応じて入浴・足浴を行うなどを行います。また、起床した際に行う一連のケアを、モーニングケアといいます。
一連のケアを行うことで、異常の早期発見や感染予防にもつながります。
胃ろう
胃ろうとは、口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる方法です。
胃ろうは、チューブで胃に直接栄養を送り込むための穴のことを指し、口から以外に栄養補給のためのルートが増えます。目的として、なるべく体に負担をかけずに栄養を摂取することで、例えば、自力で口から食事をとるのが難しい人や、むせこみをしてしまい、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高い人などが主な対象者になります。喉などにチューブを入れるわけではないので、口から食べることもでき、口から食事をとるリハビリも続けることが出来ます。
詳しくは『胃ろうとは』でも紹介しています。併せて参考にしてみてください。
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インスリン
インスリンはすい臓からの分泌で、血糖を下げる働きのあるホルモンです。インスリンという言葉でイメージされるのがインスリン注射で、糖尿病によりインスリンの作用が不足した状態になっているときに、インスリン注射で体の外から注射で補うことによって血糖を下げます。自己注射を行うのは、1型糖尿病の人、または2型糖尿病のうち内服薬が難しい人になり、注射の種類やタイミングも様々です。
インフォームドコンセント
インフォームドコンセントとは、「説明を受け納得したうえでの同意」になります。患者・家族が病状や治療について十分理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどうのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスです。また、薬剤師から薬を受け取るときも同様です。
医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーとは、患者やその家族が安心して治療をすすめられるように相談にのり、職員や患者に必要な関係者、機関との連絡や調整を行う人を言います。医療ソーシャルワーカーとして勤務するための資格はないが、多くの病院で社会福祉士、精神保健福祉士等の資格をもっていることが条件となっています。経済的・心理的・社会的問題の解決や、社会復帰の促進も図るため、地域活動も大切な業務となっています。
イレウス
イレウスとは、排ガスや排便が無くなり腹痛やおう吐などの症状により腸管が閉塞し流れなくなった状態のことをいいます。腸閉塞とも呼ばれ、急性疾患としては多くあります。腸の中で食べ物や消化液など内容物の流れが止まると、消化途中の食べ物だけでなく消化液も再吸収されずに貯まってしまい、腸が膨れてしまいます。そのため、腹痛やおう吐、便がでない、おなら(ガス)がでない、お腹がはるなどの症状がでて、重篤になる危険性もあります。
上乗せサービス
上乗せサービスとは、介護保険の規定以上の手厚い介護サービスになります。上乗せサービスは、介護付き有料老人ホームにて手厚い介護サービスで介護保険の規定以上に受けた場合に、自費負担として支払うもので、「上乗せ介護費用」や「オプション費用」とも呼ばれています。基本的に人員配置基準として、介護が必要な入居者に3名の対し1名以上の看護または介護職員を配置することになっています。その基準を越えて、看護・介護職員を多く配置している場合に、「上乗せ介護費用」として徴収してもよいとなっています。
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ADL訓練
ADL訓練とは、「ご飯を食べる」「トイレに行く」など人が生活する上で必要な動作をADL=日常生活動作といい、これらの動作に対し、必要な能力を向上させる訓練や環境調整、介助方法の検討を行います。この動作においては、食事・整容・更衣・排尿・排泄・入浴などがあり、患者さんの病気・障害・生活環境に合わせた方法を見い出します。医師だけでなく、専門家として、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などリハビリ分野のプロフェッショナルに相談することができます。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、運動神経系(運動ニューロン)が選択的に障害される進行性の神経疾患です。症状としては筋肉がやせて力が入らなくなります。初期症状は手に現れる事が多いですが、進行すると徐々に自分の意思で身体を動かすことが難しくなり歩行が困難になります。進行によって、話す、食べるが困難になり、自身で呼吸することができなくなり、人工呼吸器が必要になります。ただし、意識ははっきりで、精神的なはたらきはまったく障害されません。
壊疽(えそ)
壊疽(えそ)とは、感染症あるいは血栓症などによる虚血が原因で、体組織の腐敗に特徴づけられる壊死の合併症です。血栓症は、血液供給の不足(抹消循環障害など)の原因として現れ、糖尿病や長期間の喫煙に関連し、壊疽の多くは下肢に出現します。皮膚や皮下組織などが死滅して暗褐色や黒色に変色する病気で、広範囲な壊疽や重症感染を合併した足潰瘍では足を切断せざるをえなくなることもあります。
嚥下障害
嚥下障害とは、食べ物や飲み物を上手に飲み込めない状態のことです。 嚥下障害は、さまざまな原因から、食べること飲み込むことに困難が生じることです。人にとって生きる上で「食べること」「飲み込むこと」は大きな意味をもちます。嚥下障害により食事が上手くとれないために体重が減る、低栄養や脱水を起こす、飲み込んだものが気管に入る(誤嚥)、飲み込んだもので窒息するということもあります。新生児から高齢者まであらゆる年齢層にみられます。主な原因に、脳血管障害による麻痺や、神経・筋疾患、また加齢による筋力の低下があります。
エンゼルケア(エンゼルメイク)
エンゼルケアとは、人が亡くなった後に行う死後処置と死化粧などをいいます。エンゼルケアは、エンゼルメイクとも言われ、亡くなった方を人生の最期にふさわしい姿に整えるため、化粧、闘病の跡や傷口をカバーし死者の尊厳を守る処置であり、残された家族や関係者の悲しみと立ち直りのプロセスに重要な意義あるものとなります。エンゼルケアには遺族の最後の納得感や満足感が心のケアとして大切です。また、遺族や同じ建物等で暮らしている方々への感染症予防の役割もあります。
円背(えんぱい)
円背(えんぱい)とは、脊柱が前に倒れた状態のことを指します。多くの場合、いきなり円背になるわけでなく、猫背が進行することで円背になります。円背を引き起こす原因として考えられているのは、骨粗しょう症による脊椎の変形や脊椎圧迫骨折などによる骨の変形、先天的な脊椎の病気等があります。予防方法として、正しい姿勢を常に心がけることが最も重要です。ストレッチを行ったり、無理のない程度にゆっくりと時間をかけて伸ばすといいでしょう。
詳しくは『「老人性円背(ろうじんせいえんぱい)」 どんな病気?』でも紹介しています。併せて参考にしてみてください。
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遠距離介護
遠距離介護とは、子供などが離れて暮らす両親の生活をサポートすることです。 遠距離介護は、仕事や家庭、さまざまな理由で親元で介護することができず、遠距離を通い介護することです。介護者である子供は、親元へ引っ越し、子育て、仕事の環境を変えずらかったり、親は住み慣れた土地で余生を過ごしたいという思いもあります。加齢により環境の変化によって認知症を発症したり、悪化したりする可能性もあり、そのままの環境で介護することを選択することも多くあります。交通費等の負担もありますが、精神的な負担も大きい方もいますので、専門家に相談することも必要かもしれません。
オスメイト
オスメイトとは、様々な病気や事故などにより、お腹に排泄のためのストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設した人を言います。オスメイトのほとんどが、お腹につけた装具で便や尿を溜めて処理をしています。ストーマ用装具を装着することで、手術前と同じように社会生活を送ることができます。正しくストーマを装着していれば入浴中も外れることはなく、衛生上何ら問題はありません。
オンブズマン
オンブズマンとは、スウェーデン語で「代理人」という意味で、公の苦情処理機関として急速に拡がりました。日本においては、国や自治体、議員らの活動を監視する市民団体の市民オンブズマンもいます。市区町村においても、市民の市政に関する苦情を公平公正な立場で迅速に処理し、開かれた市政の推進で市民の信頼性を高めることを目的に、オンブズマン制度があります。市民オンブズマンには、弁護士や税理士、公認会計士などの専門家も多くいます。
OTC薬品
OTC薬品とは、薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品です。いままでは「大衆薬」あるいは「市販薬」と呼ばれてきましたが、2007年より「OTC医薬品」に呼称を変更・統一されています。今後は自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」の時代でもあり、OTC薬品は自分自身で健康管理を行い、軽い病気の症状緩和などにもつながります。自分で選べて(自己選択)、薬剤師などの専門家に相談もできます。
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介護用語について、五十音順のご紹介ページを以下でまとめてあります。こちらもご参考ください。
当コラム記事の内容について
当記事の内容は、介護現場、ならびに医療法人などでも活躍された経験者監修のもと、ご紹介します。
監修者 プロフィール
藤井 寿和氏
合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
陸上自衛官を経験後、介護の仕事に転身。医療法人の事業部統括マネージャーに就任した後、独立。
● 介護施設 現場支援コンサルタント
● レクリエーション介護士1級・2級 公認講師
● 介護情報誌「介護Times Tokyo」および「TOWN介護Tokyo」編集長
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