在宅介護のメリット・デメリットは?よくある悩みなども紹介!
- 介護に関するお役立ち情報
- 2022/03/31
在宅介護のメリット・デメリットをまとめました。介護疲れによるよくある悩みやストレスチェック、ストレス対策も紹介します。
在宅介護にはどんなメリットがある?
住み慣れた自宅での生活を続けられる!
在宅介護のメリットとして『住み慣れた自宅での生活を続けられる』ことが挙げられるでしょう。家族や身内の理解が得られたり、一人暮らしの場合でも、日常生活に支障がなければ在宅介護を選ぶケースが多いようです。
その他、介護の必要性・状態に応じて、訪問介護サービスやデイサービスなどを自由に選ぶことができます。施設への入居費用より介護費用を抑えられる点もメリットといえるのではないでしょうか。
在宅介護でのデメリットは?
家族への負担・介護疲れ!
一方で在宅介護のデメリットとして「適切な介護を行うことができず寝たきりになりやすい」「徘徊をした場合に本人の身に危険や周囲に迷惑をかける可能性がある」「緊急時にすぐに対応することができない」などが考えられます。
仮に介護サービスを利用したとしても、夜間帯は家族による介護が必要です。
家族や身内にかかる負担は大きくなるでしょう。また、介護は終わりが見えないケースも多く、在宅介護の期間が長くなればなるほど精神的・肉体的な負担増も考えられます。
近年は核家族化が進んでいる影響もあり、子ども一人に負担がかかった場合「共倒れ」が起こるケースも問題となっています。
その他、介護用品の購入費用や自宅をバリアフリー化する際のリフォーム費用など、経済面での負担もかかってきます。
介護疲れによる悩み・起こることは?
身体的な疲労!
介護者を持ち上げたり、支えたりする動作を行う身体介護は、在宅介護を担う家族の身体的な疲労の原因となります。一日に何回も行う必要があり、介護者の腰や膝、腕などへの負担がかかりやすくなります。特に前かがみになる動作が多いため、介護者の腰を痛める可能性は高いでしょう。
また、家族が介護を行う場合には専門的な知識やスキルが無いことも多く、身体への過度な負担がかかりやすくなります。
身体介護による身体的な疲労の原因は、以下が挙げられます。
身体的疲労の原因
・食事の介助
・着替えの介助
・排せつの介助(トイレ付き添い、おむつ交換など)
・入浴の介助
・車椅子への移乗や移動の介助 など
介護は日中だけではなく夜中のトイレ付き添いやおむつ交換など、夜間帯も必要なことがあります。十分な睡眠時間を確保できないことによる寝不足も、身体的な疲労につながっていきます。
精神的な疲労!
一般的に、在宅介護は様々な立場の人と関わりながら行っていきます。よって、人間関係の疲れが精神的な疲労として蓄積されるでしょう。人間関係の煩わしさから介護の大変さを誰にも相談できなくなり、やがて精神的に追い詰められていくこともあります。
在宅介護を担う人がストレスを抱える要因となるのは、主に以下の方々です。
・要介護者
・他の家族
・親族
・ケアマネジャー
・介護スタッフ
要介護者とは、言動に対するイライラ、要介護者のためにやったことが反発を招き苛立たしく感じることが精神的な疲労の要因です。また、疲労が蓄積し感情がコントロールできなくなった際、思わず要介護者に怒鳴ったり喧嘩になってしまったりもします。さらに、そのことで自己嫌悪になり精神的に落ち込んでしまいがちです。
他の家族や親族が介護に協力的ではない場合「自分だけが介護の負担が重く、嫌になった」という思いがストレスにつながることがあります。また、ケアマネジャーや訪問介護などの介護スタッフとの相性が悪いケースや、介護サービスに不満を抱えていても言い出せないケースも、精神的な疲労の原因となります。
経済的な問題!
在宅介護による経済的な問題も、介護疲れにつながる要因としてあげられます。
在宅介護では、介護保険による介護サービスの自己負担額、おむつ代などの費用がかかります。その他、介護ベッドやポータブルトイレといった介護用品の準備も必要です。自宅のバリアフリーリフォームが必要な場合、介護保険が適用されることもありますが大規模なものだと多額の費用がかかってきます。
要介護度によっては介護保険を利用できますが、介護保険による介護サービスは利用限度額が決められていて、超えた分は全額自己負担となります。
家族で協力して介護を担うケースはまだ負担が軽減されますが、介護を一人で背負うと負担も大きくなってしまいます。
介護ストレスをチェックする方法は?
職業性ストレス簡易調査票(57項目)を紹介!
ストレスチェックの項目について、厚生労働省では「職業性ストレス簡易調査票」(57項目)を推奨しています。ストレスチェックに必要な3領域(仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポート)が網羅されています。
仕事のストレス要因について
1. 非常にたくさんの仕事をしなければならない
2. 時間内に仕事が処理しきれない
3. 一生懸命働かなければならない
4. かなり注意を集中する必要がある5. 高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ
6. 勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない
7. からだを大変よく使う仕事だ
8. 自分のペースで仕事ができる
9. 自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
10. 職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる
11. 自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない
12. 私の部署内で意見のくい違いがある
13. 私の部署と他の部署とはうまが合わない
14. 私の職場の雰囲気は友好的である
15. 私の職場の作業環境(騒音、照明、温度、換気など)はよくない
16. 仕事の内容は自分にあっている
17. 働きがいのある仕事だ
※「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」の4段階で回答。
心身のストレス反応
1. 活気がわいてくる
2. 元気がいっぱいだ
3. 生き生きする
4. 怒りを感じる
5. 内心腹立たしい
6. イライラしている
7. ひどく疲れた
8. へとへとだ
9. だるい
10. 気がはりつめている
11. 不安だ
12. 落着かない
13. ゆううつだ
14. 何をするのも面倒だ
15. 物事に集中できない
16. 気分が晴れない
17. 仕事が手につかない
18. 悲しいと感じる
19. めまいがする
20. 体のふしぶしが痛む
21. 頭が重かったり頭痛がする
22. 首筋や肩がこる
23. 腰が痛い
24. 目が疲れる
25. 動悸や息切れがする
26. 胃腸の具合が悪い
27. 食欲がない
28. 便秘や下痢をする
29. よく眠れない
※「ほとんどなかった」「ときどきあった」「しばしばあった」「ほとんどいつもあった」の4段階で回答。
周囲のサポート
次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?
1. 上司
2. 職場の同僚
3. 配偶者、家族、友人等
あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?
4. 上司
5. 職場の同僚
6. 配偶者、家族、友人等
あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいて
くれますか?
7. 上司
8. 職場の同僚
9. 配偶者、家族、友人
※「非常に」「かなり」「多少」「全くない」の4段階で回答。
満足度について
1. 仕事に満足だ
2. 家庭生活に満足だ
※「満足」「まあ満足」「やや不満足」「不満足」の4段階で回答。
※職業性ストレス簡易調査票の簡略版(23項目)もあります。
在宅介護疲れの軽減、ストレスを溜めない方法は?
友人・知人などに相談する!
介護疲れの軽減、ストレスを溜めない方法は、介護の悩みを「家族や親族、友人」など周囲の人たちに相談し抱え込まないことです。介護に関する悩みを一人で抱えることで、ネガティブ思考になりがちです。ちょっとした悩みでも、人に聞いてもらうだけで気持ちが軽くなったりします。
また、同じ介護に関する悩みを抱えている方に話すこともおすすめです。共感してもらえることで安心感が生まれたり、自分に役立つ情報をもらえることもあるでしょう。
介護のプロ・専門家に相談するのもおすすめ!
ケアマネジャーや認知症の主治医など、介護に関するプロに相談されることもおすすめです。的確なアドバイスをもらえるはずです。
以下で、相談する対象者の例を紹介します。
・家族、親族
・友人、知人
・介護に関する専門家
精神科、認知症の主治医、ケアマネジャーなど
・その他
カウンセラー、市(区)役所の介護保険課・福祉課、地域包括支援センターなど
介護サービスを利用する!
介護者の負担を減らすために介護の支援サービスを活用するのもよいでしょう。サービスには、以下のようなものがあります。
デイケア・デイサービス
デイサービスは、通所を通して食事や入浴、排泄介助などを受けることができます。また、デイケアではリハビリなどの機能訓練を受けることが可能です。
どちらも要介護者は1日もしくは半日程度、施設を利用することができます。
ショートステイ
ショートステイは、施設に宿泊する介護サービスのことです。数日から最長で30日間まで利用可能で、介護者の負担軽減や体調不良などをサポートしています。
>> ショートステイ(短期入所)についてよくあるFAQを紹介!
訪問介護・看護
訪問介護・看護は、ホームヘルパーや看護師などが直接自宅を訪問して、介護者の状況に合わせて介助や医療管理などを行うものです。
在宅で受けられる点が大きなメリットとしてあります。また、プロの介護を間近で見て学べるので、不安や疑問も相談できます。
介護施設への入居検討!
在宅介護ではどうしても難しいと感じる方もいらっしゃることでしょう。在宅での介護は本人にとってメリットは大きいものかもしれません。しかし、長期間に及ぶことで介護する側の負担が増え共倒れのリスクも考えられます。また、介護度が高くなればなるほど、在宅で行える介護には限界があります。
そうなる前に、施設への入居検討もされてみるのも良いかもしれません。
介護施設では24時間体制で介護を受けることができます。また、医療依存度が高い場合には、医師や看護師の常駐施設もあります。介護施設へ入居することでどんなメリットがあるのかを十分に考慮しながら、検討されるとよいでしょう。
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TEL :0120-175-155
メール:mykaigo@paseli.co.jp
在宅介護をするなら、介護職員初任者研修で知識とスキルを身につけるのがおすすめ
要介護者を介助していくには、介護職員初任者研修の修了で知識・スキルを身につけることをおすすめします。
家族の介護をするといっても、何が正しいのかはなかなか分からないもの。
介護職として実際に働く方も受講する介護職員初任者研修を受講することで、実際の介護の正しい知識を学ぶことができます。
現在おこなっている家族のケアや仕事と両立できるのか不安な方の参考になるよう、以下にて介護職員初任者研修を実際に受講したスタッフの声を紹介しています。
働きながらでも介護の資格(介護職員初任者研修)は取れる?実際に修了してわかったこと
(学びと資格の情報サイト「BrushUP学び」)
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