要介護3とはどんな状態?要介護2,4との違いなども紹介します。

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要介護3では、ほぼすべての日常生活で誰かサポートが必要な状態といえるでしょう。また、認知症状も顕著にあらわれることも多いでしょう。ここでは、要介護3の認定基準・状態、要介護2または要介護4との違いや利用可能な介護サービス、1月にかかる介護費用の目安、補助金制度などについてご紹介します。

詳細記事:要介護認定とは?

要介護3とはどんな状態なの?

日常生活のほぼすべてで介助が必要

要介護3では、ほぼすべての日常生活で誰かサポートしてくれる人が必要な状態といえるでしょう。身体能力の低下や認知症の進行も著しく、常に誰かのサポートや見守りなどが必要とされます。排泄や入浴、歩行さえも1人では難しく、寝たきりとまではいかないまでもじっとしている時間が長くなります。
そのため、移動する際には車いすや歩行器を利用することが多いでしょう。

要介護3では認知症状も顕著になる

要介護3では、認知症の進行に伴う各種症状や問題行動もみられます。また、判断力や記憶力が著しく低下し、見当識障害や実行機能障害があらわれることも多いでしょう。 見当識障害は、時間・場所・人が認識できなくなる障害で、実行機能障害は、物事を段取りつけて実行するのが困難になります。
また、要介護1・2に比べて、重度の周辺症状がみられるのも特徴です。周辺症状とは、認知症の進行に伴い、本人の性格や環境が作用して、副次的にあらわれる症状のことです。重度な周辺症状では「幻覚」「せん妄」などがあります。
常に不安定な心理状態におかれるため、「暴力や暴言」「イライラ」「徘徊」などの周辺症状を併発することも多くなります。

要介護3になると、代表的な認知症の症状が顕著に現れることはおぼえておくようにしましょう。

同居している主な介護者の介護時間

要介護2に比べると、要介護3ではほとんど終日介護が必要となる割合は32.5%と明らかに増えています。家族や周りからの介護が無ければ、日常生活も難しい状態であることが見てとれます。

介護度 必要な時に手をかす程度 半日程度 ほとんど終日
要介護1 61.2% 7.5% 11.3%
要介護2 50.2% 12.2% 15.7%
要介護3 27.7% 17.6% 32.5%
要介護4 11.5% 8.6% 45.8%
要介護5 3.0% 12.8% 56.7%

※【令和4年版高齢社会白書(全体版) 図1-2-2-9 同居している主な介護者の介護時間(要介護者の要介護度別)】より抜粋。

要介護3の認定基準・状態について

要介護3の認定基準は、要介護認定等基準時間が「70分以上90分未満」の方が該当になります。

【5つの介護行為】

介護行為 内容
直接生活介助 身体に直接触れて行う入浴、排せつ、食事などの介護 など
間接生活介助 衣服等の洗濯、日用品の整理等の日常生活上の世話 など
問題行動関連行為 徘徊、不潔行動などの行為に対する探索、後始末などの対応
機能訓練関連行為 嚥下訓練の実施、歩行訓練の補助等の身体機能の訓練及びその補助
医療関連行為 呼吸管理、褥瘡(じょくそう)処置の実施時の診療補助 など

介護認定の詳しい調査方法や有効期限については「要介護認定とは?調査方法についても紹介!」にて解説しています。

要介護3でも一人暮らしできる?

絶対ではないが、一般的に難しい

要介護3と認定された方は、一般的に一人暮らしをすることは難しいと考えられます。 なぜなら、「日常生活全般で支援が必要な状態である」「認知症によって理解力・判断力の低下が見られることも多い」からです。しかし、要介護3になってからも一人暮らしを続ける方はいます。

要介護3の認定を受けたが一人暮らしを希望される方は、ケアマネジャーや家族ともしっかり話し合い、介護体制を万全に整えることが大切です。

一方で、住み慣れた家であっても一人暮らしにおける事故が起こる可能性は十分にあります。安全で安心な暮らしを送り続けるためにも、一人暮らし以外の選択も考えておく必要があるでしょう。

要介護3と要介護2の違いは?

介護の必要度の違い

要介護3と要介護2の最も大きな違いは、日常生活での介護の必要度です。

要介護2では、食事、トイレ、入浴などの手助けは時折必要な程度ですが、要介護3になるとこれらが自分ではできず常に介護が必要となります。

要介護3では、要介護2よりも身体的な衰えがあります。立ち上がったり歩いたりすることも自分ではできません。着替えなど要介護2では手助けや見守りをする程度だった行為にも介助が必要となってきます。
また、理解力の低下も常にみられるようになります。

要介護3になると、ご家族も家での介護に不安を感じたり、常に専門的な介護が受けられる方がよいと考えて要介護者を施設に入居させるケースが多くなるのも特徴です。

要介護2については「要介護2とはどんな状態?要介護1,3との違い、使えるサービスや費用について解説!」もご参照ください。

要介護3と要介護4の違い

要介護4では立っていることも難しくなる

要介護3では多少手助けなしで出来る行為もありますが、要介護4になると日常生活のほとんどで介護が必要になってきます。要介護4では、立ち上がることや歩くことだけでなく立っていること自体が自分の力でできなくなります。
また、要介護4の場合には要介護3よりも理解力の低下が見られ、問題行動により常に介護者が側にいなければならないケースもあり、施設に入居する方も多くなっています。

要介護4については「要介護4とはどんな状態?要介護3との違いや受けられる介護保険サービス、月額費用などを解説!」もご参照ください。

要介護3で受けられる介護サービスは?

要介護3の方の場合、特別養護老人ホームへ入所が可能になります。そのほか、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを受けることができます。また、福祉用具のレンタルも可能です。

以下で、サービス毎に紹介していきます。

特別養護老人ホームへ入所が可能

要介護3より、「特別養護老人ホーム(特養)」への入所が可能となります。特養は公的な介護保険施設の1つであり、比較的コストが安いのが特徴です。 尚、特養への入所は、原則として「65歳以上の高齢者」かつ「要介護度3~5」が条件となっています。

希望してもすぐ入所できないケースあり

特養への入所を希望される場合、注意すべき点があります。それは、入所を希望してもすぐ入所できないケースがほとんどだということです。比較的コストが安いということもあり、要介護3以上の方には人気があります。

一方でより高度なケアが必要とされる方が優先され、空室待ちになることがほとんどのケースとなっています。利用希望者が多い場合には、申し込みから入居まで数ヶ月~数年かかることもあります。入所したくてもすぐできない点はデメリットですね。

特別養護老人ホームについては「特別養護老人ホーム(特養)とは?入居条件や特徴について紹介します。」でも紹介しています。併せてご参照ください。

購入・レンタルできる福祉用具

サービス 内容
購入特定福祉用具 腰かけ便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトの吊り具部分、ポータブルトイレ
レンタル可能な福祉用具 歩行補助杖(松葉杖や多点杖など)、手すり、介護ベッド、歩行器、スロープ(工事を伴わないもの)、車いす、車いす付属品、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト(工事を伴わないもの・つり具部分を除く)、自動排泄処理装置(尿のみ吸引するもの)

※注意
福祉用具をレンタルする際には、貸与費用がかかります。介護保険利用することにより、1~3割の自己負担でレンタル可能です。

自宅の介護リフォーム工事で補助金あり

最大20万円まで補助金がもらえる

介護保険を利用すると、介護を目的とした自宅のリフォーム工事に補助金が支給されます。

補助金:最大20万円 ※工事費用の1~3割は自己負担となります。

注意: 工事費用が20万円を超える場合は、超過分について全額自己負担になります。

要介護3の介護費用の月額目安は?

要介護3で特別養護老人ホームへ入所した場合

要介護3で特別養護老人ホームへ入所した場合の費用について、以下で事例をご紹介します。

かかる費用(1ヶ月):140,000円程度

※内訳
介護サービス費用(1割負担) 27,000円程度
家賃・食費・生活費など    113,000円程度

特別養護老人ホームの費用については「特別養護老人ホーム(特養)の費用」もご参照ください。

家族と同居で在宅介護の場合

要介護3で在宅介護サービスを受ける場合(家族と同居)の費用について、以下で事例をご紹介します。

かかる費用(1ヶ月):26,100円程度

※内訳
訪問介護(身体介護) 8回/月 3,100円程度
ショートステイ   4回/月  9,300円程度
通所リハ      8回/月  8,400円程度
通所介護昼食    8回/月  4,000円程度
ベッドレンタル        1,000円程度
歩行器レンタル        300円程度

一人暮らしで在宅介護の場合

要介護3で在宅介護サービスを受ける場合(一人暮らし)の費用について、以下で事例をご紹介します。

かかる費用(1ヶ月):28,500円程度

※内訳
訪問介護(生活援助) 8回/月  1,500円程度
訪問介護(身体介護) 4回/月   1,000円程度
訪問介護(身体介護) 8回/月  3,100円程度
訪問介護(身体介護) 12回/月  3,000円程度
通所リハ       12回   12,600円程度
通所介護昼食     12回    6,000円程度
ベッドレンタル          1,000円程度
歩行器レンタル          300円程度

要介護3で有料老人ホームへ施設入居をした場合

介護付有料老人ホームに入居した場合の費用について、事例をご紹介します。

※東京都練馬区 介護付有料老人ホーム 例
かかる費用(1ヶ月):221,650円+(その他費用)

※内訳
賃料: 140,250円
食費: 59,400円
管理費:22,000円

※そのほか費用:
個人医療費、居室の光熱水費、電話代、日用品・介護用品費、介護保険自己負担分

介護付有料老人ホームの費用については「介護付有料老人ホームの入居費用(料金)はどのくらい?」もご参照ください。

要介護3の区分限度支給額は?

要介護3では「27万480円」が上限!

介護保険で受けられるサービスには、要介護度毎で区分限度支給額が設けられています。また、所得に応じて自己負担額(1~3割)も決められています。
尚、区分支給限度額を超えて利用した分の費用は、全額自己負担になりますので注意が必要です。

【サービスの利用限度額(1ヶ月)】
要介護3 利用限度額: 270,480円

自己負担の割合・金額

1割負担の場合: 27,048円
2割負担の場合: 54,096円
3割負担の場合: 81,144円

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要介護3でも受け入れ可能な施設

要介護3の方の受け入れ可能な施設について、以下でまとめてみました。施設探しの際に、是非ご参考ください。

要介護3の方の受け入れ可能な施設 一覧

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