高齢者のパニック障害【老人性パニック障害】の症状とケアについて
- 介護に関するお役立ち情報
- 2024/11/07
近年、高齢者のパニック障害である【老人性パニック障害】が増加しています。発症には【老人性うつ病】が関係し、予防するためには病院での検査はもちろん、家族や友人などの「周囲の支え」が必要不可欠になります。【老人性パニック障害】の特徴を理解するとともに、ケア方法について正しく理解しましょう。
老人性パニック障害とは
高齢者が発症するパニック障害
老人性パニック障害とは、高齢者が発症するパニック障害のことを言います。
パニック障害とは、激しい恐怖感や不安感に襲われるパニック発作が頻発することで日常生活に支障をきたす病気のことを言います。
パニック障害の方はストレスに対して身体バランスを崩しやすく、めまいや動悸、息苦しさを感じることがあります。また、突然強いパニック発作が起こる場合もあるため、注意が必要です。
パニック障害で見られる症状
老人性パニック障害が起こる原因は、はっきりとは分かっていません。一方で、ストレスや疲労などの心身不調により問題をうまく対処できなくなることで「老人性パニック障害」が起こると考えられています。また、以下のような症状が見られます。
●発汗、寒気
●痺れ
●息切れ、息苦しさ
●吐き気
●めまい、ふらつき、気が遠くなる感覚
●自分をコントロールできない恐怖、気が狂う恐怖
●このままでは死んでしまうのではという恐怖
●胸の痛み、不快感 など
パニック障害の診断基準
以下の①~④全て満たした場合に「パニック障害」と診断されます。
①以下(1)(2)の両方を満たしている。
(1)予期しないパニック発作が繰り返し起こる。
(2)1回発作が起こった1ヶ月以内(それ以降)に以下のうち1つ以上が続いている場合。
(a)さらに発作が起こるのではないかという不安・心配が続いている。
(b)発作、または発作による結果(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、気が狂う など)について心配する。
(c)発作と関連した行動の大きな変化
②広場恐怖が存在する。(もしくは存在しない。)
※広場恐怖とは、過去にパニック発作を起こした場所や発作を起こした際に助けを得られないと思う状況を恐れること。
③パニック発作は、物質(乱用薬物、投薬 など)または一般身体疾患(甲状腺機能亢進症 など)の直接的な整理学的作用によるものではない。
④パニック発作は、以下のようなほかの精神疾患ではうまく説明されない。
例)
・社会恐怖
(恐れている社会的状況に曝露されて生じる など)
・特定の恐怖症
(特定の恐怖状況に曝露されて など)
・強迫性障害
(汚染に対する強迫概念のある方が、ごみや汚物に曝露されて など)
・外傷後ストレス障害
(強いストレス因子と関連した刺激に反応して など)
・分離不安障害
(家を離れたり、または身近な家族から離れたりしたとき)
参考:
日本精神神経学会総会【専門医を目指す人の特別講座:不安障害の診断と治療】
J-stage【パニック発作を繰り返す高齢者に対して心拍バイオフィードバックを取り入れた脱感作法の適用】
さいたま市【こころのホームルーム パニック症】
NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター【パニック障害】
パニック障害を予防するためには?
パニック障害について理解を深める!
パニック障害を予防するには、症状や対処方法について、正しい知識や情報により理解を深めることが大切です。また、自分自身でできることもありますが、家族や周囲の方の協力も重要となります。
発症者本人の心がけによる予防
発症者本人の心がけによる予防方法としては、自分に合ったストレスを和らげる方法、心と体ががリラックスできる方法を見つけることです。そして、家族や周囲のサポートを受けながら段階的に新しいことへチャレンジして自信を取り戻すことです。
結果として、予防・回復につながっていくことでしょう。
● 生活リズムを整える
●十分な睡眠や食事をとる
● 信頼できる方との人間関係の確立
● 新しい趣味の時間を増やす
● 家族と会う機会を増やす など
パニック障害の方のストレス緩和 例:
72歳 女性 神奈川県
写真を趣味として楽しむことで、外出する機会や色々な出会いが増えました。
75歳 男性 埼玉県
元々興味があったギターを始めました。以前より、指先がスムーズに動くように!
80歳 男性 千葉県
ゲートボールを通じて、生涯の仲間ができた。高スコアを目指して、現在も奮闘中!
色々なことに興味を持ち、視野を広げて日々を過ごすことも大切になります。今から始めても遅くはありません。新たなチャレンジをすることが、パニック障害の予防へと繋がります。
家族の支えも大切な予防法!
パニック発作は、家族や周囲の方が思っている以上につらく不安に感じていると言われています。
パニック発作を理解してあげることが、本人の不安を和らげることにもつながっていきます。
● 顔を見て話す
● やさしく「大丈夫」と声掛けをする
● 症状や不安の程度を聞き、苦しみを理解してあげる
● 深呼吸を促す
● 同じことを何度も聞き返さない など
家族や周囲の方などの「気付き」も重要です。日頃からのコミュニケーションだけではなく、小さな変化も見逃すことなく手を差し伸べられる関係作り、その環境整備も求められます。
「薬物療法」による治療もあり
パニック発作の症状を軽減させる方法として、薬物療法もあります。おもに抗うつ薬による治療ですが、人それぞれで種類や量、服薬期間も異なります。また、その効果や副作用なども変わるため注意が必要です。
詳しくは、医師にも相談しながら進めることになります。
ご家族でのサポートが難しい場合は?
老人ホームへの入居検討も!
ご家族でのサポートが難しい場合は、老人ホームへの入居をご検討されてみてるのも1つの方法です。パニック症状にお悩みで老人ホームを探される例もあります。
実際、レクリエーションを通じて生涯の仲間ができたという嬉しい報告も頂いております。
MY介護の広場入居相談室では、ご希望条件に沿って専任スタッフが「介護保険に関するご質問やご相談、介護施設の探し方など」をサポートしています。
毎月の費用面や入居条件などについても無料でご相談ができますので、是非ご検討ください。
ご希望条件例:
● ご希望エリア
● ご希望金額
● 入居の条件
● 入居の時期 など
「MY介護の広場」入居相談室
TEL :0120-175-155
メール:mykaigo@paseli.co.jp
お問い合わせフォームからもお気軽にご相談ください。
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在宅介護でのお役立ち情報
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