老人の疥癬は不潔が原因?ヒゼンダニの発生源は?症状と治療法について
- 介護に関するお役立ち情報
- 2024/11/07
疥癬とは、ヒゼンダニ(ヒトヒゼンダニ)が皮膚に寄生することで、「発疹・かゆみ」が生じる感染症です。また、人から人へと感染することもあるため、しっかりとした予防対策も必要です。ここでは、治療法や予防策についても紹介していきます。
【疥癬】とは?
ヒゼンダニ(ヒトヒゼンダニ)が皮膚に寄生し生じる「感染症」
【疥癬】とは、ヒゼンダニ(ヒトヒゼンダニ)が皮膚に寄生することによって、「発疹・かゆみ」が生じる疾患を指します。
ヒゼンダニは人の皮膚の角質層に寄生し、人から人へと感染してきます。最近では、介護施設や病院での集団感染も問題になっています。
また、【疥癬】は2種類のタイプがあります。
通常疥癬
一般的な症状を指します。感染力については、影響が小さいモノになります。
角化型疥癬
通常疥癬よりも感染力が強いため、注意が必要です。また、寄生する数も通常疥癬が数十匹に対して、角化型疥癬では100万〜200万匹と圧倒的に多いのが特徴です。
【疥癬】の症状・特徴とは?
「通常疥癬」「角化型疥癬」それぞれの症状・特徴を紹介します。
「通常疥癬」の症状
●手首や手の関節、お腹や胸、わきの下、ひじの内側など「柔らかい部分」に発生
●激しいかゆみが生じる
●おもな皮膚症状は、赤いブツブツなど
●「結節」(けっせつ)という赤茶色の豆粒代のしこりが、手のひらや指、肘、足にできる
●寄生するヒゼンダニの数は、数十匹程度
●他人への「感染力は弱い」
「角化型疥癬」の症状
●皮膚が乾燥してカサカサしたり、垢が溜まっているように見える
●かゆみが生じる場合、生じない場合がある
●寄生するヒゼンダニの数は、100万~200万匹
●他人への「感染力は強い」
●免疫低下、不適切な治療で発生する
補足事項
通常疥癬・角化型疥癬ともに、ヒゼンダニが皮膚に卵を産みつける際に「疥癬トンネル」というモノができます。皮膚の「線状の皮疹」がそれに該当します。
【疥癬】は他の人にも感染する?
「直接経路・間接経路」で感染する可能性あり!
ヒゼンダニは0.2~0.5㎜と小さいため、肉眼で発見することは困難です。人のフケや垢・ホコリ・食べかすなどから皮膚の表面に住みつき、人から人に取り付きます。
感染原因は、以下2パターンが考えられます。
直接経路
長時間、肌と肌が触れることで感染します。(短時間では移りにくい)
関節経路
疥癬の人が使った「寝具・衣類」を、他の方が使用することで感染します。
通常疥癬は、少し触れた程度では感染しません。一方で、角化型疥癬は「短時間での接触」「寝具の共有」からも感染してしまいます。
通常疥癬は、ヒゼンダニが寄生してから「1~2ヵ月」で発症します。
対して、角化型疥癬は「4~5日、長くても約2週間」で発症します。
このため、一緒に暮らすご家族に症状が現れた際には、既に他の家族にも感染している恐れがあります。「免疫力の弱った高齢者がいる場合」には特に注意が必要となります。
【疥癬】の治療法は?
「飲み薬・塗り薬」で治療可能!
一般的には、お医者さんから処方される「飲み薬・塗り薬」で治すことができます。
飲み薬
イベルメクチン(製品名:ストロメクロール)を服用することで治療します。薬の用量は、体重によって処方されます。
注意点:
●高脂肪食によって血中薬物濃度が上がることがあるため、空腹時に飲むこと
●副作用に肝障害があらわれることがある
塗り薬
フェノトリンローション(製品名:スミスリンローション)という、「殺虫剤の一種」のフェノトリンという物質を含んだ塗り薬を使用して治療します。
※この殺虫剤は、人の血中に吸収されないため安心してご使用いただけます。
注意点:
●塗る前に「皮膚の角質」をなるべく取り除く
●外用した翌日以降は、入浴・清拭を行った上で保湿薬を使用し、皮膚を保護する
(完治には、約1ヵ月ほどかかるケースも)
【疥癬】の予防策は?
手洗い・入浴などで清潔を保つ!
本人はもちろん、周囲の方もこまめな手洗いは必須です。また、できる限り毎日入浴し清潔に保つことも大切です。
換気や掃除も小まめに行うようにしましょう。
できる限り個室で生活する!
角化型疥癬の場合は感染力が高いので、感染した方はできる限り個室で生活するようにしましょう。
感染した方と接触する方も注意が必要です。感染した方の使用した衣服や下着、シーツ類は、個別に洗濯しましょう。
また、トイレの便座からも感染してしまう可能性があります。疥癬に感染した方と同じトイレを使用する場合は、時間を空けて使用することで感染リスクを下げることができます。
直接肌に触れるものは共用しない!
長時間手をつないだり、同じ布団で寝るなどは避けましょう。そのほか、入浴時のタオルやバスマットなど、直接肌に触れるものは共用しないようにしましょう。
お風呂を共用している場合には、入浴の順番を最後にするようにしましょう。
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