高級老人ホームで不自由なく、充実した生活を送るには、施設の選び方が最大のポイントです。
この記事では、施設選びから入居までの流れや選び方のポイントを詳しく解説しています。
また、良い高級老人ホームを見分けるための方法についても紹介していますので、施設選びの際はぜひ参考にしてください。
高級老人ホームの選定から入居までの流れ
まずは施設選びから入居までの流れを把握する
高級老人ホームへの入居を検討する場合、まずは施設選びから入居までの流れを把握しておきましょう。
事前に段取りを知っておくことで、入居までのスケジュール計画を立てることができ、ゆとりをもった施設選びが可能になります。
①希望条件の洗い出し
最初に、高級老人ホームへの入居にあたっての希望条件を洗い出しましょう。
- エリア、立地
- 居室の広さ
- 介護、医療ケアについて
- 食事内容
- 重視したいサービスや設備
以上のような内容を中心に、希望と条件を挙げていきます。
②希望条件に合った施設の資料請求をする
有料老人ホーム検索サイトを活用
希望条件が出そろったところで、希望に合う施設を探していきます。
ほとんどの方がインターネットで検索すると思われますが、Web上から1件ずつ施設を確認していくのは大変な作業です。
「MY介護の広場・老人ホームを探す」のような、全国の有料老人ホームが検索できて、さらにそのまま資料請求もできるWebサイトを活用するとよいでしょう。
希望条件に合う施設が見つかったら、資料請求をおこない、それぞれの施設についての詳細を確認します。
入居時の予算についても検討しておく
また、施設の資料が届いた時点で、入居予算についても検討しておきましょう。
高級老人ホームは元気なうちから入居される方も多く、入居年数が10年以上に渡ることがあります。
施設によって入居費用が異なります。
終身まで入居することを前提とした予算を考えておくことが推奨されるでしょう。
③施設を見学する
希望の高級老人ホームを数件に絞り込んだら、必ず施設を見学しましょう。
施設を直接見て、施設内や施設のスタッフ、入居している方々の雰囲気を確認することが大切です。
入居予定者であるご本人の見学が難しい場合は、ご家族が見学されるとよいでしょう。
なお、「MY介護の広場・入居相談室」では、見学の手配はもちろん、一都三県・関西エリアの高級老人ホーム見学送迎を無料でおこなっております。
見学ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
④体験入居してみる
居室に余裕のある高級老人ホームでは、体験入居を実施していることがあります。
実際に入居してみることで、その施設で暮らしていくイメージがつかみやすくなり、スムーズな入居が叶うでしょう。
なお、体験入居の期間としては、施設が設けている期間にもよりますが、最短で1泊2日、長いところで1週間~1ヶ月程度となっているようです。
高級老人ホームは、高級ホテルのような設備とサービスが整っていますので、体験入居期間も快適に過ごすことができるでしょう。
⑤施設の職員と面談
入居の意志が固まったら、施設の職員と面談し、入居に際しての説明を受けます。
施設見学や体験入居の時に感じた不明点や疑問点は、面談時に確認し、不安を解消しておくことが重要です。
すべて納得した状態で入居できる体制を整えておきましょう。
⑥必要書類の準備
施設職員との面談後に、入居契約関連の書類を準備します。
入居申込書や契約書、重要事項証明書などへの確認と記入をするほか、戸籍謄本や住民票、印鑑証明、健康診断書などの書類が必要となります。
施設から指示されたものを用意しましょう。
また、高級老人ホームの多くでは、保証人(身元保証人・身元引受人)を立てる必要があります。
入居予定者の子どもや親族が保証人となるケースが多いですが、身内に頼れる人がいない場合は、保証会社の利用等を検討しましょう。
⑦入居審査を受ける
入居関連書類の提出後は、書類の内容等を基に入居審査を受けます。
審査では、入居費用の支払い能力や共同生活に適応できるか(他の入居者に迷惑をかけない等)、介護や医療ケアが必要な場合、施設で対応できる範囲なのかといった部分が確認されます。
施設見学、体験入居、施設職員との面談などで、十分に施設とのやり取りを経た上での入居審査となりますので、審査に落ちるというケースは少ないですが、受け入れが難しいと判断された場合は入居を断られることもあります。
⑧契約の合意と入居
入居審査に通った後は、入居予定者と施設双方の契約合意のもと、いよいよ入居に移ります。
入居の日程に合わせ、引っ越し業者の手配や荷物の準備をはじめましょう。
また、自宅などの売却が必要な場合は、不動産会社に相談し、手続きを進めておきます。
高級老人ホームの選び方のポイント
高級老人ホームは一般的な有料老人ホームと異なる点が複数あるため、選び方のポイントについても異なってくる部分があります。
以下に高級老人ホームの選び方のポイントを解説していきます。
入居者の層や雰囲気
高級老人ホームは入居費用が高額であり、入居される方は富裕層が中心です。
そのため、入居者には、施設に品を求める方も一定層いらっしゃいます。
例えば、入居者が施設内にあるダイニングなどの共有スペースを利用する際、スウェットなどのラフな服装ではなく、外にお出かけをする時のような装いをしている施設があります。
そのように、ハイクラスな雰囲気の生活が自分に合っていると思う方もいれば、もっと気楽でざっくばらんな雰囲気を好む方もいらっしゃるでしょう。
高級老人ホームでも、施設によって入居者の層や雰囲気は異なりますので、自分の生活感覚に近い施設を選ぶことがポイントです。
食事の内容
高級老人ホームの多くは、提供している食事にこだわりを持っています。
食事は施設内の調理場で毎食作られるため、冷凍食品やレトルト食品を温めただけというものが提供されることはありません。
栄養バランスもしっかり考えられていますので、健康的な食生活を送れることは間違いないでしょう。
しかし、食事は毎日のことであり、食生活のストレスは気分を大きく害するものです。
細かく確認したいポイントとしては、以下の内容が挙げられるでしょう。
- 嫌いな食材やアレルギー食材のリクエストに応じてくれる
- 味付けのリクエストにも応じてくれる
- 刻み食やとろみ食に対応してくれる
- 焼き物や揚げ物などは出来立てのものが提供される
- 和食/洋食などメニューが選択できる
- イベントメニューなど飽きのこない工夫がされている
- 外食等の予定がある場合は、食事のキャンセルと返金に応じてくれる
生活の自由度
高級老人ホームでは、生活の自由度がどれくらいあるのかも確認しておきたいポイントです。
例えば、外出に門限はあるのか、アルコールの提供はしてもらえるのかといった内容です。
また、施設によってスケジュールがきっちり定められていると、すべて時間通りに動かなくてはならないというストレスが起きてしまいます。
食事の時間帯、共有スペースが自由に使える時間帯なども確認しておくとよいでしょう。
プライベートの確保
居室の防音状況を確認する
高級老人ホームは、2人部屋、4人部屋といった大部屋タイプの居室はなく、基本的にお一人ないしご夫婦で入居する個室タイプの居室となります。
知らない他人と部屋を共にして暮らすということはないので、プライベートは最初からある程度確保された状態といえるでしょう。
そこで、確認しておきたいポイントとしては、まず、居室の壁の厚みなどの防音状況です。
個室であっても、壁が薄く、隣室の生活音が丸聞こえの状態では落ち着いた生活ができません。
上階の振動音が響いてこないかなどもチェックできるとよいでしょう。
スタッフとの距離感を確認する
その他、スタッフとの距離感についても確認しておきましょう。
高級老人ホームはおもてなし精神のあるスタッフが多く、常に入居者を見守り、声がけをおこなっています。
しかし中には、スタッフの声がけが頻繁で、プライベートに踏み込まれていると感じてしまう入居者もいるようです。
自分が不快に思わない程度の距離感でスタッフが接してくれるか?というのも、確認ポイントの1つでしょう。
アクティビティの状況
高級老人ホームで楽しく活き活きと暮らすためのポイントとして、施設のアクティビティの状況があります。
選びたい施設としては、カラオケ・ライブラリー・フィットネス・プール・アトリエなど、趣味が楽しめるようなさまざまな共有スペースがあるところです。
お一人、ご夫婦、入居者同士、いずれの方も楽しめる場となるでしょう。
そのほか、イベントやレクリエーションの開催状況やサークル活動についても確認しておくことが推奨されます。
高級老人ホームでは、サークル活動で他の入居者とコミュニケーションを取ることを生きがいとする方も多くいらっしゃいます。
医療ケア・認知症・リハビリの対応
医療ケアについて
高級老人ホームであれば、誰でも受け入れてもらえると思われがちですが、医療の受け入れ体制については施設によって大きく異なります。
例えば、ストーマやペースメーカーといった医療の対応をおこなっている施設は多いですが、寝たきりの状態で鼻腔経管で栄養を取らないといけないという場合、鼻腔経管ケアができる施設は少ないといった現状が挙げられます。
すでに持病のある方や、将来医療が必要な状態になっても入居を継続したいという方は、必ずその施設の医療受け入れ体制を確認しておきましょう。
手厚い医療ケアを希望する方は、24時間看護体制のある施設や、クリニック併設の施設を選ぶことがポイントです。
認知症について
高級老人ホームの選び方で注意したい点は、認知症の方の受け入れをおこなっている施設が意外と少ないということです。
理由は、認知症の症状にあるといえるでしょう。
認知症には、暴言・暴力など他害の行動がある、徘徊する、新しい環境に馴染むことが難しいなどの症状があります。
そのため、比較的自由度が高く、プライベートを重視する高級老人ホームでの共同生活が難しいという側面があるのです。
もちろん、認知症の方の受け入れをおこなっている高級老人ホームもありますので、老人ホーム選びのプロに相談するなどして検討してみるとよいでしょう。
リハビリについて
介護の法制度上、有料老人ホームに対し、リハビリを実施しなければならないという規程はありません。
しかし、多くの高級老人ホームでは、リハビリサービスを提供しています。
今は元気でも、年を重ねると歩行のしづらさや身体機能の衰えを感じやすくなるものです。
病気をきっかけに身体が思うように動かなくなることも考えられるでしょう。
また、自立している方も、元気な状態が長く続くよう、身体機能維持のトレーニングを受けておくことが推奨されます。
フィットネスルームがあり、理学療法士や作業療法士といった機能訓練指導員が在籍している施設を選択することがポイントです。
退去条件を確認しておく
有料老人ホームの退去条件には、他の入居者への迷惑行為や入居費用の未払いのほかに、重度の病気や認知症など、施設で対応しきれない身体状況となった場合があります。
例えば、認知症の受け入れ体制のない施設において入居後に認知症を発症した場合、症状の度合いによっては、施設を退去しなければなりません。
退去条件についても事前にしっかり確認しておく必要があるでしょう。
入居費用の支払い方法
高級老人ホームに終身入居すると、総額数千万円から数億円の費用がかかることはめずらしくありません。
ただし、基本的に一括ですべての費用を納入するのではなく、入居一時金や月額利用料に分けての支払いとなります。
なお、多くの高級老人ホームでは、大きく以下2つの支払い方法が選択できるようになっています。
①入居一時金+月額利用料
家賃にあたる費用を入居一時金としてまとめて支払い、その他管理費・食費等を月額利用料として支払う方法です。
高級老人ホームの入居一時金は、2,000万円~3,000万円程度の範囲で設定している施設が多い傾向です。
高額な施設になると、5,000万円~3億円程度にのぼります。
また、月額利用料は20~30万円程度であることが多く、家賃を前払いすることで、月々の費用負担を軽減したいという方におすすめの支払い方法です。
②月額利用料のみ(家賃上乗せ)
入居一時金をゼロとする代わりに、家賃分を月額利用料に上乗せして支払う方法です。
家賃分が増額されるため、高級老人ホームの月額利用料は、50万円~100万円程度で設定されていることが多い傾向です。
一時入居金の用意が難しい方や、毎月利用した分だけ費用を支払いたいという意向の方は、こちらの支払い方法を選択するとよいでしょう。
なお、入居費用については、施設によって異なる部分が大きく、さらに細かい支払い方法を設定している施設もあります。
事前に入居にかかる費用と支払い方法を確認し、納得して支払いができる施設を選びましょう。
良い高級老人ホームの見分け方は?
終の棲家となり得るかもしれない高級老人ホーム。施設選びに失敗しないためにも、良い施設を見分けたいと思う方は多いことでしょう。
以下に良い高級老人ホームの特徴や判断基準を解説します。
施設スタッフのホスピタリティが高い
高級老人ホームは施設の豪華さや充実したサービスを特徴としていますが、最終的には施設で働くスタッフの質で入居を判断すべきでしょう。
高級老人ホームのスタッフは、一般的な老人ホームのスタッフと異なり、マナー研修を受けているケースが多いといわれています。
しかし中には、丁寧な言葉遣いをしているだけで、笑顔がない、機械のようにマニュアルに沿った応対しかできないというスタッフもいるでしょう。
老人ホームは、人と人とがコミュニケーションを取りながら共同生活をおこなう場です。
施設に見学に行った際は、ぜひスタッフの応対を観察してください。
ホスピタリティの高い、入居者個々に合わせた接遇をしているスタッフが多くいる高級老人ホームは、良い施設だといえるでしょう。
個人に合わせた食事の提供
高級老人ホームを選ぶ判断基準として、食事は大きなウエイトを占めます。
毎日違う食事や彩り豊かな食事が提供されるなど、飽きがこないというのも大事ですが、入居者個人に合わせた食事の提供があるか?という点も重視したいところです。
- 身体の状態に合わせた食事(刻み食、糖尿病食、減塩食 等)を提供している
- 味加減や焼き加減の注文に応じてくれる
- 苦手な食材や食べられない食材を抜いてくれる
以上のような、食事面における個別対応の実施状況は、施設を選ぶ際のよい判断材料となるでしょう。
清掃が行き届いている
良い高級老人ホームを選ぶ基準として、清掃状況にも注目しましょう。
高級老人ホームは、外観・内装ともに豪華なため、一見きれいな状態に見えます。
しかし、よく見てみると、調度品に埃がかぶっている、カーペットにシミがある、外のエントランスにある花壇や中庭に雑草が生えているなど、清掃や管理が行き届いていないということもあります。
特に注意したいのは、水回りの共有スペースの清掃状況でしょう。
共有トイレや大浴場の脱衣所が汚い、水回りにカビが生えているといった状態は、衛生環境上よいものとはいえません。
また、清掃や管理がしっかりできていないということは、スタッフの人員配置が不足していることも考えられます。
新型コロナウイルス感染症もいまだ拡大が続いている状況です。
清掃が行き届いた施設を選ぶようにしましょう。
施設を運営する会社・法人の経営状況
高級老人ホームを選ぶ際は、施設を運営する会社や法人の経営状況を知っておくことが推奨されます。
高級老人ホームは入居費用が高額なこともあり、施設の運営が行き詰まるというケースは少ないですが、一般的な老人ホームでは施設を運営する会社の倒産が後を絶ちません。
東京商工リサーチの調査によると、2022年の介護事業者の倒産件数は、過去最多の143件にのぼったとのことです。
資金繰りが困難になっての倒産以外にも、人手不足による倒産が増えてきていますので、高級老人ホームもすべてが安泰とは言いがたいでしょう。
運営母体が倒産すると、施設は別会社に譲渡、または閉鎖となります。
別会社に譲渡された場合は、サービス内容や入居費用が改訂されることがあり、閉鎖となった場合は、施設の転居を余儀なくされます。
しかしながら、一般の方が、運営会社・法人の経営状況の確認をしようと思っても難しい部分があるでしょう。
MY介護の広場・老人ホーム入居相談室では、介護業界の情報を詳しく知る相談員がご相談を承っています。
施設の経営状況を確認したいという場合は、ぜひお問い合わせください。
出典:株式会社東京商工リサーチ/2022年の介護事業者 休廃業・解散が過去最多、コロナ感染防止の利用控えや物価高が直撃~ 2022年「老人福祉・介護事業」の休廃業・解散調査 ~
施設選びが難しいと感じた時はご相談ください
MY介護の広場・老人ホーム入居相談員が高級老人ホーム選びをサポート
ここまで高級老人ホームの選び方について解説してきましたが、施設選びは大変で難しいと感じた方もいらっしゃるでしょう。
MY介護の広場・入居相談室では、高級老人ホームに精通した入居相談員が、高級老人ホーム選びをサポートいたします。
施設選びだけでなく、入居に至るまで全般を無料サポート。施設についてのアドバイスのほか、ご相談者様に代わって、施設への質問や見学の日程調整などをおこないます。
また現在、一都三県・関西エリアの高級老人ホーム見学希望の方には、無料送迎を実施中です。
見学に行きたいけれど、交通手段がないという方はぜひお問い合わせください。